『R25』がなくなるなんて知らなかった
以前『R25』というフリーペーパーが駅やコンビニなどに置かれておりました。
25歳ぐらいの男性対象の小さな冊子だったのですが、25歳でもない女の私が読んでました。
自分が通りかかった時に持ってくる場合もありましたし、兄が私の分も持ってきてくれる時もありました。
最近は冊子でなくなりweb版のみで続いていましたが、今月でなくなるそうですね。
「うぇー!?(@_@)」
昨日そのことを知って驚きました。
政治経済からエンタメといった幅広い記事がいくつも載っていて、お金を出してもこういった雑誌を私は見たことがなかったので、かなり気に入って読んでおりました。
この質を広告収入とかだけでどこまで続けていけるのだろう……と思っていましたが、とうとうなくなってしまうのですね。
私は特に石田衣良さんの『空は、今日も、青いか?』というエッセイが好きでした。
内容は読者層の男性に対するエールのようなものがほとんどでしたが、私自身も元気づけられたり、考えさせられたりしたものが多かったです。
その中で私が印象に残っている記事は、彼が秋葉原であった事件の犯人に言及した回でした。
秋葉原の事件があった時私は無職でした。
その年に私は大学を出ましたが、ブログで書いている通り、4月に就職してすぐに辞めてしまいました。
次の仕事も決まらず、方向性も見えず、この先どうなるか分からなくて、人生終わった感がありました。
犯人が非正規雇用の若者というだけで、当時の私にとってインパクトが強いものがありました。
被害者の方が懸命に人命救助に当たっていたドキュメンタリーとかも後に見たこともがありますが、こうなる前に何か出来なかったのかと思う事件です。
エッセイでは「自分の未来を諦めてはいけない」といったようなことが書かれていたと思います。
たとえ今、仕事が上手くいかなかったり、友人や恋人に恵まれていなくても、今の苦しい状況にはいつか終わりがくるということ。
その時を信じて今を踏ん張れるかが大切にといったようなことが書かれておりました。
確かに今苦しい状況に置かれていて解決策が見えなくなると、周りの人間に当たったり、自分自身を責めたりしたくなります。
なかなか「未来を信じろ」と言われても、受け入れられなかったりします。
それでも石田さん自身がフリーターを経験された実体験を元に、下の世代の方に向けられた励ましの言葉なのだと思います。
私自身もあれから10年ほどの間に辛いことの方が多くありましたが、その間に色々な出会いがあり、こうしていつかは振り返られる日が来るのだ思いました。
たくさんの楽しみと気づきを与えてくれた媒体が一つ、この世から去ることは寂しいです。
ただ私のようにこの雑誌を楽しみに読んでいた方はいっぱいおられたのではないかなと思います。
今苦しい現実を生きている方も、日々の憂いを昇華出来る日が来ることを願っております。