田舎が遠い《後編》~思い出をたどる編~
前回に続き、田舎に帰省した話です。
お昼前頃には現地に着きました。
祖母は掃除機をかけていたところで、忙しそうでした。
私と母は仏壇に線香をあげてから、お墓参りをしてきました。
お墓の墓碑には私の先祖の名前や没年などが刻まれており、母の実父が33で亡くなったことを、改めて早すぎたと感じました。
戻ってから祖母とあれやこれやと話してました。
祖母がお昼御飯を用意してくれて、一緒に食べました。
少し前に電話で「(うちから送った)昔の写真が出てきた」と祖母が言っていて、私が茶碗を洗っている間に祖母と母がそれを見てました。
私も戻ってきて「どれどれ~」と参加しました。
とにかく母が若い。
日付が1987年のものがほとんどで(昔は写真に日付が入ってたのね~)、私と兄がまだ小さくてちょろちょろしてました。
そして20年ぶりぐらいに見る父親……。
私の顔や体質などは父親に似ている部分が多いのです。
ずっとそれが自分を受け入れられない原因の一つでもありました。
今でもそれは変わらないし、今となっては内面だけは同じになるまいと念じるようになってはいるけど、そこに至るまで一杯悩みましたよ。
帰省中に会う予定の母の友人は、祖母の家から少し離れたところに住んでらっしゃるので、12日の夕方には祖母の家を出て、移動したところで1泊しました。
あまり電車の本数がないので、いつも日帰りした時とさして変わらぬ滞在時間でお別れになってしまい、家を出る時祖母はやはり寂しそうでした。
翌日母の友人と会いました。
午前中はお墓参りがあるとのことでお昼頃に会うことになりました。
午前中は空いていたので、近くにあるお城に観光してきました。
私が小学校中学年頃に行ったっきりで、もう一度行ってみたいなとは常々思っておりました。
母は疲れて「天守閣の階段がキツイ」と言っていたので、一人で流れるように見てきました。
幕末とかお好きな方は一度は行かれたことがあるかもしれないですね。
お城の内部にお土産屋があったので、母にお土産を買って戻りました。
その後母の友人がお城まで迎えに来てくださり、私たちが帰る駅の近くで一緒に食事しました。
私がいたらお邪魔かな、と思っていたら、気さくな方で私も同席することになりました。
私は学生時代にいじめられたり、人付き合いが上手い方ではなかったので、こうして歳を重ねてから会うことの出来る友人がおらんのです。
だからこうして同じ思い出を共有できる人が一人でもいることが羨ましいと思うのです。
母の友人を通じてこの街の変化を知りました。
私がこの辺りに来たのは20年前ぐらいなるので、変わっていても不思議ではないのですが、随分お店が減って寂しい感じがしました。
今回の帰省は、時の流れを強く感じさせられるような旅になりました。
懐かしの場所にも時は流れて、日々消えては生まれてを繰り返しているーーー。
明日のことは誰にも分からないから、今出来ることは可能な限り実行するべきだと思いました。
私の祖母も母の友人も、どこか母に「会う機会」を待っていたような感じがして、今回はばたばたしてしまいましたが、会いに行ってよかったとつくづく感じました。